第18号 2008年3月10日
★お久しぶりです。




 

 朝晩もずいぶんと過ごしやすくなり、窓を開けておくと涼しい風が通っていきます。

  夏の間は、暑さに弱い牛たちの体調管理に非常に気を使います。今年の夏も、夏バテする牛もおらず無事乗り切ることができました。

  これから涼しくなるにつれ、牛たちのコンディションも上り、よりおいしい牛乳を出してくれることでしょう。久しぶりの通信です。

 
★我が家の牛乳で自由研究。












 

 8月下旬、二学期が始まり子供たちは再び学校に通学するようになりました。小国では冬の寒さが厳しいため冬休みが長い代わりに、平地よりも夏休みの期間が短いのです。短い夏休みの終わり(といっても親から見れば十分長いのですが)、子供たちが恒例の自由研究に取り組みました。

 まずカッテージチーズづくり。容器から鍋に牛乳を移し、火にかけて75度まで温めます。そこに、レモン汁を入れてゆっくりかき混ぜると牛乳が少しずつ固まってきます。それを、ふきんに移し、水分を絞るとカッテージチーズの出来上がりです。
  ちょうど寄せ豆腐のような感じでジャムを乗せたり、しょうゆを掛けて食べたりしてもおいしいです。これは、一部の旅館のメニューにもなっています。

 次は、バターつくり。これも市販の牛乳(といっても我が家の牛乳ですが)を容器に移し、腕がだるくなるくらいひたすら振ります。5分ぐらい振っていると、ふたの上の部分には厚いクリームの層ができます。フレッシュバターの完成です。

 うちの牧場の牛乳は、脂肪分に手を加えないノンホモナイズ製法を採用していますので簡単にバターができます。市販の牛乳のほとんどは、製造の過程で保存期間を長くするために乳脂肪分を“たたいて”細かくするホモゲナイズド製法を採用しています。

  ですから、いくら頑張って振ってみても、乳脂肪分は分離しにくく、バターとはなりにくいのです。保存期間を長くするために、生産の過程で牛乳に手を加えることは、より多くの人に製品をお届けするためには仕方のないことかもしれません。

  しかし、それが本来の牛乳といわれれば少し違うのではないかなと思います。また賞味期限もあえて短く設定することは流通の面からは扱いにくくなるためリスクが大きくなります。しかしできるだけ新鮮なもの、そのままの状態で飲んでもらいたいと思うからです。

  皆様も、うちの牧場の牛乳を使ってためしてみてください。自分でつくったチーズやバターは、市販のもの一味違って、おいしいですよ。子供たちには、このような体験を通じて楽しみながら食の大切さを伝えていきたいと思います。

 
★山吹色の輪…、川尻・林酒店の林琢磨さん・瑞穂さん。







 

 熊本市の川尻に林酒店という酒屋さんがあります。河津酒造の社長さんから「若くて一生懸命取り組む人がいる。」とご紹介いただきました。

 林酒店には、街づくりなどにも若手の中心として積極的に関わっている琢磨さん、ワインの知識、ラッピングなど多彩な才能を持つ瑞穂さんという私と同年代の姉弟が中心となって切り盛りしています。

  店内には、洋酒・リキュール・清酒・焼酎全国津々浦々のお酒がところせましとあり、瑞穂さんは、味の好みや用途などを聞いてそれにぴったりのお酒を選んでくれます。

  店の中央、ケースの中には、豆腐や漬物、チーズなどお酒以外のこだわりの品があります、お母様が中心となり自分で吟味され一つ一つ仕入れているとのことです。

  その中にうちの牛乳もお邪魔しています。林さんは、私がブランドを立ち上げたのとほぼ同時期、3年前から地域で、様々な食材や日用品の宅配サービスを展開しています。

  琢磨さんは酒屋さんの基本は「御用聞き」と言います。川尻は古い街で付近は高齢者も多くお買い物に苦労されている人もいる、そのような方に少しでもお役に立つことができればと考えているとのこと。

  林さんのお店には、若いスタッフの方々が4人いますがその方々が、元気に挨拶をしながら一軒ずつお宅を訪問し品物を届けていきます。今でこそ、一部のコンビニなどが同様のサービスを展開していますが、琢磨さんは、それよりも速く、独自で経験の中からそのサービスを立ち上げたとのこと。日常で実際にお客さんに接し声を聞いているからこそのアイデアだと思います。

  うちの牛乳のことをしっかりと勉強し、一人ひとりに丁寧に届けくれている琢磨さん。応援していただいてとても心強く思っています。また、母の煮しめをもってお邪魔したいと思います。(林酒店HP:http://www.tree-two.com/)


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