第3号 2006年7月11日
★「山吹アイス」新登場





 

 暑い夏、冷たいものが恋しい季節になりました。このたび、試作を重ねていた一品「山吹アイス」が完成しました。原料に「山吹色のジャージー牛乳」を贅沢に使い、添加物を最低限にし、さっぱりとした中にもしっかりと牛乳本来の味がします。

 この製品はジェラート(アイスクリーム)業界のパイオニア・古庄史老(しろう)さんに手がけていただいたものです。

  古庄さんとはお付き合いをさせていただいてからすでに4年近くが経とうとしていますが、お会いするたびに、食の安全・安心や自然素材へのあくなきこだわりにいつも感心し、自分のアイスクリームを作っていただくにはこの方しかいないと思うようになりました。

“大分のナイアガラ”と呼ばれる「原尻の滝」のそばに古庄さんを訪ね、製品に込めた思いなどをあらためてうかがいしました。
 
天然素材にこだわる。生産者だからできること。



















 

 古庄史老さんには2つの顔があります。
 「ジェラート屋」のご主人としての顔と酪農家としての顔。

 古庄史老さんは自分の牛から搾った牛乳と地域で取れた完熟の果物などの天然素材を使い、手作りで安心・安全な製品を作ることに徹底的にこだわっています。

効率やコスト追求のため、あるいは濃厚さや風味の演出のために香料や添加剤を使った不自然な味の製品が大量に出回る現在にあって、体にいいもの、安心なものを届けたいという古庄さんの姿勢は高く評価され、厳しい選択眼を持つ百貨店のバイヤーなどにもその名は知られています。

 古庄さんの製品作りにはこだわりがあります。ひとつは、原料となる牛乳。

「味を決めるのは原料となる牛乳だ」と古庄さんは言います。同時にそれはもっともコストがかかる部分でもあります。酪農家として、自分で搾った新鮮な牛乳を贅沢に使うことがすべての基本です。

  もうひとつは、材料に地域で取れた完熟のものを使うこと。季節に応じてイチゴ、シソ、かぼちゃ、黒大豆、ヨモギ、カボスなど近所の農家から有機栽培のものを分けてもらいます。

  またヤマモモなどを山から摘んでくることもあります。それらはいずれも、自分の目の届く範囲のもの。それらの原料を、店の中にある製造室で息子さんの勉さんと一緒に手作りで製品にしていきます。

  取材当日も店内に併設された製造室では勉さんが製造の真っ最中でした。太陽がさんさんと差し込む店内のテーブルでは、ニコニコしながらジェラートを食べる家族連れでにぎやかです。

子供たちの未来へ、ジェラートに込めたメッセージ

 「食料・食品は生命の糧、子供たちに食べさせるものはきちんとしたものでなければならない」古庄さんは、平成12年度から「食育」の活動にも取り組んでいて、「酪農教育ファーム」として、多くの子供たちの受け入れも行っています。

  子供たちは牧場で実際に牛にえさをあげたり、ブラッシングなどの世話をしたり、搾乳をしたり、時には鶏の解体なども体験します。牧場にこられない子供たちのためにトラックに動物を乗せて「出前授業」をすることもあるそうです。

  これらを通じて生き物に対しての慈しみの心や命の尊さ、食べ物への感謝の念などを伝えています。

  また、バターやジェラートを手作りで作らせるなどの授業も行ないます。「今の子供たちは、本物の味を知らない。完熟の果物などを食べた経験もない。本物を経験させればその味は決して忘れることはない。その意味ではジェラートは子供も大好きだからね」。

 古庄さんの作るジェラートには子供たちの将来に向けた“メッセージ”も込められているということを強く感じました。

 
ホームステイで「うるるん」


熊本日日新聞平成18年6月6日朝刊より

 

 今年も6月5日から福岡の中学生4名が我が家にやってきました。

  小国では「小国うるるん体験教育」と呼ばれる、2泊3日のホームステイで町内では36軒が受け入れをしています。うちの牧場でも昨年から、受け入れています。

 ほとんどの子供は牛の世話などしたことはなく、大騒ぎでしたが、慣れてくるにつれ、子牛の世話や牛舎の掃除など汗をかきながら一生懸命作業していました。

  作業の後は、搾りたての牛乳を飲んでもらいましたが、普段飲んでいるものとの違いに驚いたようで、「お代わり」もしていました。

 生産現場を見てもらうこと、実際に体験してもらうことは子供たちにとっても貴重な体験だと思いますが、私たちにとっても消費者の皆さんの声を聞かせていただく貴重な機会だと思います。

  3日でしたが、送り出すときにはさすがに少ししんみりしました。また来年も機会があればと考えています


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