第4号 2006年8月20日
★精霊(しょうろう)トンボをご存知ですか?


両親の店「自然薯料理やまたけ」では、
この田んぼで取れたお米を使っています





 

 小国地方では、この時期になると田んぼに「精霊(しょうろう)トンボ」(正式名称はウスバキトンボ)と呼ばれる赤トンボが多く見られます。

 私たちの住む小国郷では、旧盆に当たるこの時期に多く見られることから、「亡くなったご先祖の霊がトンボの背中に乗って里帰りする」との言い伝えがありました。

  子供のころに祖母からも「精霊様が乗っているトンボをいじめたり、捕まえたりするようなことはしてはいけない」とたしなめられることも多く、庭先にとまっているのをじっと眺めていたような記憶があります(日本各地にこの様な言い伝えはあるそうです)。このトンボは人をおそれません。

 このトンボは毎年5月ごろ、海を渡って日本にやってきて水田に産卵を繰り返しひと夏の間に仲間を増やしていくそうです。そして10月下旬には数が少なくなり、冬にはすべて死に絶えてしまうとのこと。

 ご存知のようにトンボは水のきれいなところでしか生息できません。またエサとなるような虫も農薬が多く使われるような田んぼには生息していません。すなわち、トンボは安心・安全な環境の象徴であるともいえます。今年も我が家の田んぼでは、たくさんの赤トンボが飛びまわっている光景が見られます。足元にはカエルもたくさん見られます。

 
★強力な助っ人登場! その名はユキちゃん。










 

 夏休み、牧場に強力な助っ人がやってきました。

 「ユキちゃん」こと中山友希(なかやまゆき)さん、山口県立農業大学校の2年生です。自宅は山口県の下関、実家は農業には縁もゆかりもなく一般のサラリーマン家庭だそうです。

  昔から動物が大好きで、子供のころから動物園の飼育係やイルカの調教師、盲導犬のトレーナーなどになるのが夢で今の学校に進学したそうです。将来的には何らか動物にかかわる仕事につきたいとがんばっています。

 話を聞いて驚きましたが、今回の研修は学校の授業の一環や単位取得のためではなく、自分でいろいろな体験したいという全く自発的なものであるとのこと、かわいい顔に似合わずすごいバイタリティです。今年の春休みも阿蘇の牧場で10日間ほど研修をしたそうですが、そのときにジャージー牛に興味を持ち、うちの牧場の話を聞きホームページなども見て、夏休みの8月7日に満を持してやってきました。

 来た次の日から毎朝5時に牛舎に行き、掃除や子牛の世話、搾乳の手伝いなどに大活躍です。連日の早起きにも「好きなことですから、全く苦にならなりません」とにっこり。我が家にもすっかりなじんで大きな戦力になり「もう少しいて欲しい」とお願いしたほどでした。11日には、牛の人工授精にも挑戦しました。(すごい!!)

 農業に興味を持っている人に現場を見てもらい、できれば体験してもらうのは非常に大切なことだと思います。ユキちゃんの例は特別かもしれませんが、一人でも彼女のような人が増えたらと思います。

  彼女の手がけた人工授精が成功していれば、来年5月にはかわいい子牛が生まれます。そのときにはまた牧場に招待したいと思います。短い間でしたが家族全員が元気をもらいました。夢に向かってがんばれユキちゃん!

 
★ロールは大きな「キャンバス」




 

 写真は、先日マリノアシティでおこなわれた「ロールペインティング大会」の様子です。

 一見怪獣の卵のようにも見えるロールは、牛のえさとなる牧草をラップでくるんだものです。直径が約1m、うちの牧場では、1つが1日分にあたります。今回のイベントに合わせてはるばるうちの畑から福岡・マリノアシティまでトラックで運んで行きました。

 今年は、天候もよく非常にいい牧草が取れました。ロールの中は、文字通り牛にとっての「ごちそう」が詰まっています。そのロールに子供たちが、楽しい絵を書いてくれました。

  考えてみると、子供たちにとっては白くて大きな「キャンバス」に自由に絵をかける機会はなかなかないのではないでしょうか。子供たちが元気に、大胆に絵を描く様子が目に浮かびます。

 普段は真っ白なロール、色とりどりに描かれた子供たちの絵を見たら、牛たちはどのような顔をするでしょうか。


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2006年6月15日号
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