第12号 2007年6月15日
★一番草の刈り取り




 

 先月号で少しお伝えしましたが、ゴールデンウイークから、牧草の刈り取りが本格化しました。

  私たちにとって一年で最も忙しい季節です。早朝から深夜までほとんどの時間を畑で過ごすため、いつもにも増して子供と触れ合う時間がありません。末っ子の陽向(ひなた)が、妻と一緒にお弁当を持ってきてくれました。

  これが終わったら、罪滅ぼしの意味も込めて、どこかに遊びに連れて行きたいと思います。

 子供と比べると大きさが分かりますか?

 
★雨よ降らないで!!

父も手伝ってくれました



ロールです



刈り取り作業中



夜になっても作業は続きます


出来上がったロールの山


 

 一番草の収穫は、1年間の作業の中でも最も重要な仕事です。なぜなら、それが牛乳の質に最も大きな影響を与えるからです。

 切って、乾かし、ロールしてラップする。一連の工程は、天候に大きく左右されます。牧草が、せっかく栄養価の高い状態に育っても、この過程で雨に降られるなどしたら台無しです。今年は、晴れの天気が続かなかったため、例年になく厳しいスケジュールでの作業になりました。
 牧草の収穫作業について簡単に説明したいと思います。

1)刈り取り
 まず、トラクターの後ろに付いたカッター(モアという機械)で、牧草を切ります。5月初めの牧草は「一番草」と呼ばれ最も栄養価が高いものです。今年は、ここ数年取り組んでいる有機肥料などの効果もあり例年よりたくさん、品質のいい牧草が取れました。写真でも青々と元気に育っているところが分かるでしょうか。

 牧草を切る作業は、夜も明けきれないうちから行いますが、それには理由があります。天気のいいときに全てを終わらせなければならないことも一因ですが、早朝に切るほうが牧草の栄養分の放出が少ないためです。せっかく栄養満点に育てた牧草ですからこだわる部分です。

刈り取り作業中

2)水分を飛ばす
 その次は、熊手のお化けのようなテッターという機械を使い切った牧草をかき混ぜます。天候にも拠りますが、1日半ほどかかります。繰り返しかき混ぜ、広げたり裏返したりして十分に太陽の光や風に当て、余分な水分を飛ばします。

3)巻き取りとラップ
 次いでレーキを使い、一列に集め、ロールベーラーという機械で巻き取って(ロールにして)いきます。そしてできるだけ速やかに、ラップマシンで周囲を巻きラップします。牧草には水分が残っているため、ロールにするとすぐに熱を持ちます。発酵が始まるためです。少しでも早くラップを巻くことが(乳酸)発酵を促進し上質な飼料へとつながります。

 これら一連の作業は、すべて天気と時間との戦いになります。この時期は一日中、日の出前から夜中まで、トラクターに乗りっぱなしです。また、合間を見てそれぞれの機械のメンテナンスも欠かすことができません。
  この時期は連日、天候を見ながら夜中までの作業が続きます。今年も何とか天気の良いうちに終わりました。家族の協力に感謝です。

 
★雨あめ降れ降れ!!

田植えが終わった田んぼ

 

 まとまった雨が降ったので田植えをしました。牧草収穫の合間を縫っての作業です。

 父は、昨年から減農薬、有機栽培の「へのじ農法」に取り組んでいます。昨年収穫されたお米は、黒川温泉の旅館の一部と父の店「自然薯料理やまたけ」で使われています。もっちりしていて、冷めても美味しいと評判で、あちこちから、分けて欲しいとの声をいただいているようです。自分の店で使う米は自分で作る父のこだわりです。

 それにしても、雨を願ったり、雨に降ってほしくなかったり、農家というのは大変です。 




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